「最終版_修正済み_本当の最終版.xlsx」——このファイル名に、心当たりはないでしょうか。どれが最新か分からない。誰がどこを変えたか分からない。上書きで消えた。ファイル管理のこの混沌を、世界中の開発者は30年かけて解決してきました。その到達点がGitHubです。
AIとものづくりを始めると必ず出会うこの道具を、今回は非エンジニア向けにかみ砕きます。
前回のおさらい: Gitは「全セーブポイントが残る」仕組み
前回書いたとおり、Git(ギット)はファイルの変更履歴をすべて記録し、いつでも過去のどの時点にも戻れるようにする仕組みでした。節目ごとのセーブポイント(コミット)が全部残るので、「最終版_本当の最終版」問題は原理的に起こりません。
GitHubは「そのセーブデータの共有広場」
GitHub(ギットハブ)は、Gitの記録をインターネット上で共有する場所です。チームの全員が同じ履歴を見ながら、それぞれの作業を持ち寄れます。
面白いのは、持ち寄り方に「作法」があることです。プルリクエストと呼ばれる仕組みで、変更をいきなり反映するのではなく、「ここをこう直しました。確認をお願いします」と提案の形で出し、レビューを受けてから合流させます。稟議や校閲に近い文化が、ソフトウェアの世界には最初から組み込まれているのです。
この ohen-group.com のサイトも、GitHubに履歴が置かれていて、変更がGitHubに送られると自動で本番サイトに反映される仕組み(前回のデプロイの話の実例です)で動いています。
非エンジニアにも関係がある理由
「開発者の道具でしょう?」と思うかもしれません。しかしAI時代には、非エンジニアにこそ関係が出てきます。
第一に、AIの成果物の置き場所として。AIと作ったLPやツールをGitHubに置けば、履歴付きで安全に管理でき、あとから「あの時点に戻して」も自由自在です。第二に、AIへの指示書の置き場所として。AIエージェントに読ませる業務ルールや手順書をGitHubで管理すると、チームの誰のAIも同じルールで動かせます。これは後日、コンテクストの共有というテーマで詳しく書きます。
最初の一歩
アカウントは無料で作れます。そして最初の練習も、AIに伴走させるのが近道です。「GitHubのアカウントを作ったので、この前作ったLPを履歴管理したい。手順を教えながら一緒にやって」——これで十分始まります。用語(リポジトリ=作品ごとの保管箱、コミット=セーブポイント、プッシュ=共有広場への送信)は、使いながら覚えれば大丈夫です。
次回は少し寄り道して、Claude Code以外のAIツールたち(Codex・Cursor・Antigravity)を紹介します。
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この記事の要点
- Git=全セーブポイントが残る記録の仕組み。「最終版_本当の最終版」問題が原理的に消える
- GitHub=その記録をチームで共有する広場。「確認お願いします」(プルリクエスト)の作法が組み込まれている
- AI時代は非エンジニアにも有用: AIの成果物の置き場所、AIへの指示書・業務ルールの共有場所になる
- 最初の一歩はAIに伴走させて。用語は使いながら覚えればよい
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